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民話

入谷の山狐

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これも昔話。
夏梅木の集落から少し離れた所に
入谷と呼ばれる一軒の家がありました。
貧しくても仲の良い母と息子が暮らしていましたが、
ある日。
母親が病で寝込んだので、よく効く薬草を探しに
息子の久野助が山に入り、
迷ってしまったのかそのまま帰ってきません。
村人も母親も山で死んだものと諦めました。
しばらくして母のヨネが夜なべで縄綯いをしていると、
家の外の暗闇に二つの鋭い眼光が光っております。
「きっと山狐。」
「悪さはしないだろうから追い払うこともあるまい。」
と思って夜なべ仕事をつづけました。
次の夜からその狐は毎晩ヨネの家の外に通って
くるようになりました。
秋が過ぎ、村里に小雪がちらつく頃。
悪い水に当たったのかヨネが腹痛で寝込むと
枕元に誰が置いていったのか
サイコの煎じ薬が置いてありました。
それを呑むとたちまちよくなりました。
(これはきっとあの山狐が持ってきてくれたもんだ。)
と思ったヨネは、毎晩家の木の下に
一切れの油揚げを置いておくようにしました。
さて。
白隠上人が雲水のころ。
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昔話 蜘蛛が淵 備州

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蜘蛛ヶ淵の元となった民話です


大蜘蛛と留

小谷川上流の吉貞に蜘蛛が渕というというところがある。
むかしむかしの話じゃ。
淵の横に大穴があって、
中にはとてつもない大きな蜘蛛が住んどる。
という噂があった。
そんなわけで、村人は誰一人この淵に
近づかなかったが、
漆かきの留だけは別だった。
孝行者の留は、母親に楽させようと一生懸命に
漆液をとっていた。
そんなある日。
留がいつものように漆の液をとっていると、
トントンと肩をたたく者があった。
「おや、誰じゃ。」
と振り向いた留は驚いた。
肩をたたいていたのは、大蜘蛛の足先。
留は、動けなくなってしまった。

妻塚

妻塚(さいづか)




宿場の町外れにひっそりと小さな祠(ほこら)があり
これには言い伝えがあります。
平家一門の大庭何某の妻が祀られていると言われ、
源氏に縁のある家に産まれた妻が、夫が付け狙う高貴な人の
身代わりになり、愛する夫に斬り殺されたため
その冥福を祈って祠が建てられた言われています。
その夫婦はじつは血を分けた母子でありました。
元服前の影親(かげちか)は太郎と呼ばれ、母の名を菊。
いつ頃からなのか、ふたりは母と子から、人知れず
夫婦(めおと)関係になっていました。
伝馬町法華寺の裏手でひっそりと暮らしておりました母子、
ある夏の夜に霊夢を感じて、身体を合わせたのです。